公民館の風No.3

公民館の風   NO.3(通算635号) 2011年1月1日発行

公民館海援隊をご存知ですか

  「公民館海援隊」というものをご存知でしょうか。先行して組織された「図書館海援隊」に続いて、公民館でも作ろうという文科省の社会教育課の呼びかけに応えて組織されたもので、現在全国で25の公民館が加入しています。ちなみに、筆者の地元の岡山市の公民館も、ぜひ参加をと呼びかけられて、吉備公民館と京山公民館の2館が参加しています。
 参加している館の職員をつなぐメーリングリスト(以下「ML」と書きます。)が作られていて、そこには公民館にかかかわる研究者や団体の方も参加され、公民館の今後の在り方が、けっこう熱く論議されていたりします。
 まだ、具体的に特別な活動を海援隊として行っていることはなく、あくまでそれぞれの地域で公民館の機能を十二分に発揮しようということなのですが、MLに書き込まれる内容から、参加している職員間のつながりもできつつあります。
 卑近な例では、MLで新潟市が行う公民館のシンポジウムのことが紹介され、そこに海援隊の呼びかけ人でもある神代浩前社会教育課長も参加するというので、岡山から急きょ職員2名が参加。(前日の17時以降に、新潟に行ってと言われてあわてたとの参加者の声あり)しました。岡山から来たということで、シンポ後の関係者の交流会にも呼んでいただき、行った者は「学ぶことが多く、本当に行って良かった」と語っていました。そして、後日、岡山市で公民館移管問題をにらんだ学習会を開いた時には、その新潟市から、中心実物でもあるSさんがはるばる参加され、やはり終了後の飲み会にも参加してくださいました。そうした、普通ではできないような交流や繋がりが生まれていくところに、今までにない面白さや可能性を感じています。
 詳しくは、文科省のサイトをご参照ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/kaientai/1296523.htm
 趣旨をみると、『従来、公民館では、地域住民の教養の向上、健康の増進などを図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与してきましたが、社会の変化に伴う地域的課題の多様化(子育て、高齢者問題など)、長引く不況による雇用状況の悪化、また、社会教育費の減少に伴う専任職員の減少など、公民館を取り巻く状況は厳しくなっています。そのような中、子育て・家庭教育支援、少子・高齢化問題支援、環境問題支援、就業ビジネス支援など、地域の課題解決支援を積極的に行う有志の公民館が「公民館海援隊」を結成しました。今後、各地域の課題やその解決支援に向けた取組について、情報を共有し社会的ネットワークの構築を図り、公民館活動を 活性化していきます。文部科学省では、そのような取組について広く全国に公表するとともに、公民館を拠点とする「新しい公共」の実現を目指します。』とされている
ます。
 具体的な活動支援の例として以下のような項目が紹介されている。子育て・家庭教育支援、地域の人材の活用、仲間づくりのための交流支援、だがしや楽校を活用した世代間交流やコミュニティづくり、社会起業をテーマにした協働の関係構築力や発信力支援、関係団体・機関と連携した青少年自立支援プログラムの実施、高齢者の自立・福祉支援、ども安心・安全居場所づくり支援、在住外国人と文化交流支援、地域の人材、歴史及び文化継承するためのボランティア団体による映画づくり、ボランティアグループによる育児、観光、環境、防災、ICT等活動支援、公民館と学校・大学との連携促進事業の実施。
 平成22年8月6日現在で、25館が名前を連ねている。参加館は 以下のとおり。
北海道虻田郡倶知安町公民館、秋田市中央公民館、秋田市東部公民館、秋田県湯沢市湯沢公民館、山形県天童市高擶公民館、福島県河沼郡会津坂下町金上公民館、東京都杉並区社会教育センター、西東京市芝久保公民館、神奈川県藤沢市善行公民館、新潟県新潟市北地区公民館、富山県魚津市大町公民館、長野県松本市北部公民館、愛知県豊田市生涯学習センター竜神交流館、大阪府貝塚市立中央公民館、島根県松江市古志原公民館、島根県浜田市安城公民館、島根県出雲市鳶巣コミュニティセンター、島根県益田市都茂公民館、岡山県岡山市立京山公民館、岡山県岡山市立吉備公民館、香川高松市三谷コミュニティセンター、愛媛県松山市久米公民館、愛媛県新居浜市立泉川公民館、熊本県荒尾市中央公民館、沖縄県那覇市若狭公民館


●「公民館とアジアのCLCの交流」国際シンポジウムが開かれた●

 2010年12月13日(月)、日本出版クラブ会館で、ACCU(財団法人ユネスコアジア文化センター)主催の『公民館とアジアのCLCの協力』という国際シンポジウムが開かれました。
こ れは平成22年度「生涯学習施策に関する調査研究―公民館の活用方策に関する調査研究」の一環として文部科学省の委託により実施されたものです。
文科省の担当者や参加した人たちからの報告(公民館海援隊メーリングリストに投稿された内容)によると、海外から8カ国15名(一名日本人)が参加され、日本の専門家、公民館の有識者の方々40名ほどが参加したという。岡山での国際シンポジウムに参加されたザンビアのスンバ教授もオブザーバーで参加されたということです。

 以下、参加者の一人である前文科省社会教育課長の神代浩さん(国立教育政策研究所教育課程研究センター長、生徒指導研究センター長)が海援隊のメーリングリストへ投稿された文章を、この「公民館の風」のために一部修正してくださいました。

 当初は第1部で7カ国(インドネシア、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、中国、韓国)の参加者から各国のCLCの現状と課題を報告していただき、第2部でそれを元にした議論を行う予定だったのですが、諸般の事情で第1部で外国からの全ての参加者の発表が終わりませんでした。それでも、各国のCLCの最新事情を知ることができました。
 大まかに言えば、インドネシア、タイ、ベトナムは既に数千のCLCが整備され、その活動もかなり定着しており、今後の主な課題としては事業の質の向上にあると言っていいと思います。これに対し、カンボジアとラオスはまだCLCの数も少なく、全国的な普及が大きな課題となっています。
 中国もCLC自体はまだあまり普及していませんが、西部=農村部の開発と東部=都市部との格差解消にCLCを活用したいという意向があるようです。面白かったのは韓国で、彼らはCLC=Community Learning CenterでなくLLC=Lifelong Learning Centerと呼んでいるそうですが、LLCにも管理運営の主体が地方政府の教育部門の場合と一般行政部門の場合とに分かれ、さらに日本のコミュニティ・センターに相当するCommunity Centerも別にあるそうです。やや複雑ですが、日本に似た状況にあると感じました。
 昼食後タイ・タマサート大学のブラナカノン准教授のプレゼンから再開されました。これがすばらしい内容でした。彼女はタイにおける非政府系・自主運営のCLC(日本で言えば自治公民館に相当)のうち良好に運営されているところを取り上げてその原因を分析したのですが、その結果以下の2つのことが明らかになったというのです。
(1)CLCを持続的に運営するには、コミュニティの自主性(ownership)と適切な外部からの刺激(external intervention)なしには不可能である。
(2)成功しているCLCは多様な集団のニーズに応じた活動を展開している。中核となる活動は常に人々の経済状況や生活の質に関するものである。

 (1)について補足しますと、「外部からの刺激」という表現がわかりにくいと思いますが、要するに、CLCでの学習活動を充実させるためには、まずは地域住民の抱える課題に関連したものである必要があるが、それだけでは不十分である。住民だけでは見落としがちな、例えば環境問題、エネルギー問題といった地球レベルの課題を時には持ち込むことも重要である。そうすることによって、地域で長年育まれた知恵を外部の知見に統合することが可能になるというのです。
 (2)については実例の紹介がありました。ある農村で作っているマンゴーの買い取り価格が安いことに気付いた住民が、自分たちの生活向上のためにはこの課題の解決が必要と認識し、CLCで学習した結果買い取り価格が上昇したというのです。
 日本側の参加者は、私だけでなく彼女のプレゼンに大いに共感しました。おそらく他国の参加者も同じ思いだったと思います。これは自主運営のCLCに限った話ではなく、地方政府が運営するCLCや我が国の公立の公民館にもそっくりそのままあてはまる、と考えられるからです。
 その後日本とアジア諸国の公民館・CLCがそれぞれ今後進むべき方向性や相互交流の可能性などについて意見交換が行われましたが、彼女の問題提起が第2部の議論のベースを作ってくれた感じで、活発な中にもかなりかみ合った議論が展開されたように思います。

●「おかやまの公民館と開発途上国のCLCが地域力再生・向上に協力-国際協力モデル・シンポジウム2010」の報告●

 2010年12月10日~12日、県国際交流センター等を会場に、「おかやまの公民館と開発途上国のCLCが地域力再生・向上に協力-国際協力モデル・シンポジウム2010」が開かれました。
 主催は岡山県国際団体協議会(COINN)と(財)ユネスコアジア文化センター、それに岡山大学ユネスコチェアが協力して開催されたもの。地元岡山の公民館職員も実行委員として協力しています。
 文科省生涯学習政策局社会教育課の岩佐敬昭企画官も来賓として、日本の公民館の活性化の契機になってくれれば良いと期待していると挨拶され、続いて特別講演もされた。その中で、昨年12月べレンでの国際成人教育会議で、公民館を紹介するセミナーも開催し、多くの方に参加してもらったところ、日本の公民館のシステムは良いシステムなので、自分の国でも考えたいと言う声が聞かれるなど、アジアの国から注目されていることを嬉しく思い、驚きもしたと語られました。
 日本公民館学会会長の筑波大学の手打教授も参加され、公民館というものの紹介を中心に、基調講演を行われました。
 初日の後半は、地元岡山からの報告として、岡山市立京山公民館を拠点としたESDの実践について、ESD-J副代表でもある、京山地区ESD推進協議会の池田会長さんが報告。また、公民館職員としては、岡山市立吉備公民館の若林さんが、自分の職員としての自己形成史を柱に報告された。職員の運動で公民館の充実を進めてきたこと。職員がどう鍛えあって今を作ってきたのか。その中で、電話番のつもりで入った自分が、社会教育主事として自覚的に働いている今に至る話は、初めて聞くという人も多く、好評だでした。
 シンポ二日目は、倉敷市の美観地区にある倉敷公民館で開かれた。この日は、午前中に海外報告、午後は国内報告が行われた。まず、ADB(アジア開発銀行)の日向さんが、ADBの概要とネパールにおける事例について報告された。第二目のプログラムとしては、バンクラディシュのコミュニティーの状況について、ダッカ アサニア ミッションプログラムコーディネーターのGhulam Faruq Hamimさんが報告されました。さらに、地域コミュニティの要望について、岡大の山本秀樹先生が、ESDの視点を入れた地域防災について報告された。三番目は、ネパールの地域コミュニティについての報告で、ネパール女性意識啓発センターのSrijana Poudelさんが、その活動を報告してくださいました。このネパール女性意識啓発センターWACNは、女性の力を高めていくために活動しています。女性のエンパワメントを焦点とし、コミュニティを拠点とした開発と、貯蓄と融資に取り組んでいます。特に、協同組合の登録で主体的な気持ちが高まる。女性たちが地域で、自分たちで運営していこうという意欲も生まれているといいます。
午後は、地元倉敷市の真備町箭田のまちづくり推進協議会事務局長の守屋さんが、そのまちづくり活動を報告されました。そして、岡山市の公民館からは高田あいさんが報告。これは具体的な事業内容にふれつつ、かつ職員として公民館の窓口は闘いだと、来館者に意地でも挨拶するのだと頑張っていることなどを語られました。前日の若林さんの報告と合わせて、公民館の職員の報告はとても高く評価されたようです。
 シンポジウムの最終日は、県生涯学習センターの視聴覚室で開かれた。総括報告とそれを受けてのパネルディスカッションが内容でした。

 最初のプログラムでは、二日間のセッションの座長を務められた、ユネスコの大安さん、ネパールの女性たちを支援しているAEAの福島さん、ザンビアコッパーベル大学のShumba教授、岡大のユネスコ・チェアの阿部先生、そして岡大の山本先生からの報告が行われました。 それを受けてのパネルディスカッションは、国立政策研究所の笹井総括研究官さんと岡大の山本先生がコーディネーターを務めてくださり、パネリストは多彩。
ユネスコの大安さん、ネパールのスリジャナさん、公民館学会長の手打先生、ノートルダム清心女子大の西井先生、それに中央公民館の重森さんの5名。
 大安さんは、地域力を高めるには公民館だけでは難しいのではないかとして、消防団やコンビニや商店など、色んな機関があるから、そういうところと連携する仕組みを作って、情報や学習機会づくりを担ってビジョン作りに貢献できるのではないかと語り、気軽に寄れる場所、人間関係づくりの場としての公民館やCLCの意義を語られました。
 また、国際機関は手法に頼りがちで、支援していた地域が外部との関係が切れると、もとのやり方に戻ることから、人間関係づくりが地域力の前提になる。文化活動や課題をもとにした学習などが大事ではないかと提起されました。
 重森さんは、地域に住んでいる人がエンパワーメントしていくこと、学んだことを発表することでエンパワメントしていくことが、地域力を作る前提になる。それを待つだけでなく、職員がファシリテートし、コーディネートしていくことが必要だと語られました。
 公民館の運営委員会のもとに関心のある人に入ってもらって、課題を考えていく繋がりを作っていきたいと考えているとも話されました。
 西井先生は、地域力につけるための2点として、共に学び合える場やネットワークが顕在しているかどか。国内国外を問わず、色々な立場の人たち、コーディネーター役の人たちも学び合える場が見える化しているかが重要。もう一つは、様々な立場の人たちが集い話し合える場が顕在化しているか。次世代と共有でき、学び合いの場が地域にできているかも大切だと語られました。
 手打先生は、バンドンのCLCの国際会議で、日本はなぜ学校外の施設に資金を投入してまで整備しているのかと問われて戸惑ったエピソードを紹介されました。また、都市化の中で地域の関係が見えにくくなり、改めて公民館が行う地域の中での関係づくりが、地域の教育力を高めていく。公民館が館(やかた)ではなく、職員がいることで人々の活動を促進したり、つなげていく。そういうことは職員なしに簡単にはできない。その上で物的な施設もあることが有利な条件として社会にあるのに、十分活用されているか、もう一度再認識することが必要ではないかと提起されました。

 スリジャナさんは、公民館の機能を活用し、地域の学びの場を最大限活用していることを感銘を持って聞いている。途上国の状況と違うが、コミュニティ力を上げるには、まずコミュニティのエンパワー。そのためには人材開発、そして生活の改善が必要だ。コミュニティセンターがあるが、CLCに育て上げるには、大学や政府、コミュニティが協力しないといけないが、それが欠けている。地域の協力を学んで帰り活かすことが重要だと語られた。また、シンポジウムを開発途上国でも開くことが必要ではないか。何年もの蓄積があることを数分で報告するのは大変。実際に現地で活動に触れていただくことによって、現地の人も頑張ろうという意識づけにもなると期待を語られました。
 実は、前日の会議の中で、スリジャナさんから姉妹公民館になろうという投げかけが、真備町公民館に対してなされ、箭田のまちづくり推進協議会の守屋さんは前向きに検討したいと語られていて、すでに箭田の地域の中で、ネパールを訪問したいという人が何人か出てきていると話されていたから、実際に交流のために現地に公民館の関係者が出ていくことになりそうです。
 笹井さんは、地域のエンパワメントはいくつかの見方があり、住民のエンパワメントとそれを支援する公民館の役割がある。人と人が繋がる、団体がつながる、世代が繋がることで力を地域全体に広げていくことが地域の力を高めていくということ。そうした機能を実現する人として、公民館やその職員がある。スリジャナさんの報告は、個人の力が弱い前提のもとで、まず公民館や自治体がイニシアティブを持って進めて、個人のエンパワメントを実現していくという話だと受け止めたと語られた。また、公民館やCLCは参加の拠点となるもの。色んなセクターが参加する拠点としても重要性を考えてみたいと提起されました。
 これに対して、スリジャナさんは、異なる国際的なモデルは様々ある。女性のエンパワメントを中心に進めているが、CLC自体の活用が十分でない。一部の人、コミュニティの問題だけになっている。すべてをカバーすることは難しく、アクセスの限界、資金の限界。すべて物人のニーズをうまく満足させ得ていない。日本の公民館には多くのスタッフがいるが、自分の国では一人のマネジャーが切り盛りしている。コミュニティセンターでの活動に必要なトレーニングも受けていない。コミュニティセンターのインフラが十分でなく、機器も十分でない。技術を求めてもニーズを満たす最先端のものになっていない。海外からの支援が必要で、こういう機会を活用して支援にもつなげたいと期待感をにじませました。

 手打先生は、公民館は見えにくくなっているが、第一段階では、総合性のある、多様なニーズに応えていく施設として作られた。集会施設も文化施設も増えてきた中で、公民館は何を担うのか。日常生活圏での関係づくり、再度専門分化したものを結び付ける役割が今の段階で求められている。そこが職員に求められているが、そこがうまくできているかと問いかけられました。
 これに対して、重森さんは、職員自身も学ぶことが大切なので、研修の場づくりに努力していること、色んな職員がかかわれるプロジェクトを作って、複数の職員がかかわり学び合える仕組みを作っていることも報告されました。
 西井先生は、公民館の成長プロセスは、スリジャナさんが語った女性のエンパワメントと同じところがある。女性の発言権、決定権、情報を伝えていくこと、それらは公民館の成長プロセスでも欠かせない。公民館の発言が信頼される。承認が得られることが重要だ。情報が社会に影響力を持つことが公民館の職員自身も成長させていく契機になるし、公民館が地域の中で役割を高めていけることになると語られました。
 京山ESD推進協議会の池田会長さんは、地域の場づくりを考えて来た者として、ESDの10年は場づくりを目標とした。しかし、目標は持続可能な社会づくり。その評価は、研修の数や参加者が指標になるのではなく、地域の持続可能性を阻害していることを、どれだけ解決に向けて進めることができたかが評価できることが必要。そういうものの仕組みをどう作っていけばいいかと問題提起されました。
 大安さんは、CLCと行政と市民のトライアングルを作って、場を作ることまではできた。EFAは文字の読み書きがどれだけできるようになったかという評価をしてきた。ESDとなると行動が必要。学んだ知識や技能をボランティアや学習サークルで、社会に活かしたり、行政に働きかけていくなど、それを持続可能な社会づくりの取り組みにどう発展させたかを評価していくことが必要だとされました。
 これは、前日、EFAとESDの性格について、国連大学の望月さんとの間で少し議論になった点でもあったが、EFAが識字を核として、個人の能力開発に力点があるのに対して、ESDの方が地域社会の持続可能性までを課題としている分、CLCや公民館の目的との親和性が高いことを語られているように思えました。
 同時に公民館の事業評価の視点として、そこが大切であり、このシンポジウムについても、どういうシナジー効果が互いの公民館やCLCにあるのか、また今後追求できるのかが問われていると感じました。
 特に、今回は岡山市から職員の役割や成長のプロセスを提示したこともあり、今後の交流へのひとつの視点を提起できたと思うし、それは韓国などの職員の全国的な組織づくりに比べて、日本自体の職員の繋がりが弱いことを意識して、今後の取り組みをどう考えていくかにも繋がるものと思われました。

■明けましておめでとうございます■
 昨年中に第3号を発行しようと考えていましたが、作業をしているうちに、年を越してしまいました。おかげで、新年早々の発行に。年賀のあいさつと共にお送りいたします。
 今号には、少し時間が経ってしまいましたが、二つの公民館にかかわる大切な国際シンポジウムの報告を載せました。
 岡山でのシンポの報告は内田が作成しましたが「公民館とアジアのCLCの交流」国際シンポジウムの方は、前文科省社会教育課長の神代浩さんが、「公民館海援隊」(これも今号で紹介)のメーリングリストに投稿されたものに手を入れてくださり、今回から、読者にも加わってくださいました。
 2011年、今年は皆さまからの風もきっとたくさん届くと期待しています。どうぞよろしくお願いいたします。
 

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